2013年4月9日火曜日

わた惣吟味なれそめ話~わた惣ぽん酢惣兵衛編~

今から35年くらい前、飯塚の公設市場も今以上に元気で繁盛していた頃、
 その公設市場の裏路地に「盛岡」という小さな小料理屋がありました。
 ご主人の名前から通称「しんちゃん」と呼ばれていたその小料理屋は、
 天ぷらや魚料理がおいしくて、常連客が多く繁盛していました。

 さて、その「しんちゃん」で特筆すべきは、
料理とつけタレの絶妙な組み合わせでした。 

醤油やぽん酢にわさびや赤おろし、生姜やゆずごしょう等、
素材にぴったりのつけタレが変幻自在に出てきました。
そしてそのぽん酢は「しんちゃん」が調合したものでどんな素材も生かす、
 くせのないぽん酢でした。淡白な白身魚から、くせのある海茸やあんきも、
くじらのワタまで、色々な薬味と合わせたタレで、
最高においしく食べさせてくれました。 

ぽん酢に使われる柑橘類は、ゆず、かぼす、すだち等色々ありますが、
 その中で「しんちゃん」が選んだ究極の柑橘類が「だいだい」だったのです。
 だいだい酢は地味ながら柔らかい風味で素材を活かし、
薬味と融合してまた素材を生かす、貴重な個性を持っていました。

 残念ながら、それから十数年後に「盛岡」はなくなりましたが、
 どうしてもそのぽん酢が忘れられず、
「しんちゃん」の味を再現すべくつくったのが、
だいだい酢を使った「わた惣ぽん酢惣兵衛」です。 

淡白なふくや、白身魚の酒蒸しからくせのある魚介類まで、
わさび、赤おろし、生姜、ゆずごしょう等、
 色々な薬味を溶かしてお試しください。

 きっと皆様の満足するタレが見つかるはずです。

 (専務 駒山 徳男 )


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